2016年1月29日に雇用保険法等の改正法案が国会に提出されました。
雇用保険法等の一部を改正する法律案の概要
主な改正内容 ①雇用保険料率の引き下げ、
②65歳以降に新たに雇用される者に対する雇用保険の適用拡大
③64歳以上(年度当初)の被保険者分保険料免除の廃止
④育児・介護休業制度の見直し、
⑤雇用保険の就職促進給付の拡充等
改正法案の簡単な説明
1. 失業等給付に係る保険料率の引き下げ(2016年4月1日施行予定)
雇用保険の財政状況等を勘案し、失業等給付に係る雇用保険料率を引き下げる
{一般事業所 現行1.0%→0.8%}(一般事業所の従業員分 現行0.5%→0.4%)
2育児休業・介護休業等に係る制度の見直し(育児・介護休業法、雇用保険法関係)
(1)多様な家族形態・雇用形態に対応するため育児休業の対象となる子の範囲の拡大(特別養子縁組の監護期間にある子等)
育児休業の申出ができる有期契約労働者の要件(1歳までの継続雇用要件等)の緩和
子の看護休暇の半日単位取得を可能とする改正等を行う
(2)介護離職の防止に向け、
①介護休業の分割取得(3回まで、計93日)を可能とする改正
②所定外労働の免除制度の創設等
③介護休暇の半日単位取得を可能とする改正
④介護休業給付の給付率の引上げ{賃金の40パーセント→67パーセント}
3、 高年齢者の希望に応じた多様な就業機会の確保及び就労環境の整備(雇用保険法、労働保険料徴収法、高年齢者雇用安定法関係)
(1) 65歳以降に新たに雇用される者を雇用保険の適用対象とする(ただし、保険料徴収は2019年度分まで免除)
(2) 64歳以上(年度当初)の被保険者分保険料免除の廃止
(3) シルバー人材センターにおける業務について、都道府県知事が市町村ごとに指定する業種 等 においては、派遣・職業紹介に限り、週40時間までの就業を可能とする
4 その他 (男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、雇用保険法等)
妊娠した労働者等の就業環境の整備 妊娠・出産・育児休業・介護休業等の取得等を理由とする上司・同僚等による就業環境を害する行為を防止するため、事業主に雇用管理上必要な措置を義務づける
1. 雇用保険の就職促進給付の拡充
失業等給付の受給者が早期に再就職した場合に支給される再就職手当の給付率を引き上げる{支給日数:1/3以上を残した場合は残日数の50%→60%、2/3 以上を残した場合は同60%→70%}
「求職活動支援費」として、求職活動に伴う費用(例:就職面接のための子の一時預かり費用)について新たに給付の対象とする
施行期日
2016年4月1日(ただし、2(2)④については同年8月1日。2((2)④以外)、3(1)、4については2017年1月1日
広島の社会保険労務士、社労士 西田事務所