Q 法定労働時間を超えて労働させる必要がある場合、36協定を結び、労基署に届け
ることになっていると聞きましたが具体的には何を決めるのですか。当社では納期が迫っているときなど時間外が深夜に及ぶことがありますが問題ないでしょうか。
お答えします
1 時間外労働については36協定で上限を定めることになっています。1週
間、2週間、4週間、1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、1年間それぞれの範囲での
上限基準が定められています。
この上限基準の範囲で事業所の具体的な時間外労働できる時間数を協定することになります。
2 労使で「特別条項」を加えた36協定を結ぶことは認められているのですが、
あくまでも臨時的なものに限るとされていますので注意が必要です。
時間外労働の上限基準
1999年に改正された労基法では、「厚生労働大臣は、労働時間の延長限度について基準を定めることができる」としており、これに基づいて「時間外労働時間の上限基準」(平10.12.28 労働省告示第154号)が定められています。上限基準の根拠はこれです。
労使は36協定において時間外労働が必要となる業務を明確にする必要があります。漠然と全社員を対象にすることは認められません。また少なくとも3ヵ月以内の一定期間および1年間の上限時間を定めなければなりません。上記基準を超える労使協定が届け出られた場合は、労基署は、労使当事者に対して助言・指導を行えることになっています
(ただし、①研究開発の業務、②建設等の業務、③自動車運転の業務、④その他指定業務、については適用されません)。
特別条項
上記告示は、特別の事情が生じた場合に臨時的に限度時間を延長する協定(「特別条項」とよばれる)を結ぶことを認めていますが、これについても、①「臨時的なもの」に限定②特別延長は1年の半分を超えないこと、③延長回数の協定化がさだめられています。
健康配慮義務
労働契約法では、事業主は労働者に対する安全配慮義務が定められました。2006年の安全衛生法改正で、月45時間を超える時間外労働をさせた場合には、労働者に産業医等による助言指導を受けさせることなどが求められており、長時間労働規制向けた積極的な配慮が重要な課題になっています。
広島の社会保険労務士、社労士、行政書士 西田事務所 ホーム