60歳定年後、再雇用され、1年ごとに更新してきたある労働者が、8月で65歳に到達します。
再雇用は65歳の誕生月の末日までという規則により、本来ならば8月末をもって契約更新打ち止め、退職となるところですが、この方の場合、誕生日の数日前までの雇用契約(最終の雇用契約)を結び、契約期間満了による退職とすることにいたしました。
そんなことして、何かいいことがあるのか、ですって?
大喜びするほどのいい事でもありませんがね、本人の受給する失業給付には大いに影響
があるのです。ちょっとしたことで有利に給付を受けることができるとしたら、労務担当者である社会保険労務士としては、事前に判断材料を労使に提供しておく必要があります。
65歳以降に受給する失業給付は老齢年金との調整もありませんしね。
⇒⇒退職時の年齢により異なる雇用保険の給付
退職時の年齢で異なる給付
退職時の年齢が65歳以上か、未満かで給付内容が異なります。
どのように違うのか。
65歳以上の場合ですと、高年齢求職者給付金という一時金が支給され、
65歳未満の場合ですと基本手当てが支給されます。
高年齢求職者給付金
被保険者期間1年未満 30日分
同上 1年以上 50日分
これに対して基本手当ては特定受給資格者以外の場合で
被保険者期間1年未満 90日分
10年~20年 120日
20年以上 150日
これに加えて、失業給付と年金の併給調整の問題が絡みます。
つまり、65歳に到達した後の年金給付は、失業給付を受給している場合でも支給停止とならないのです。
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